休職中の有給休暇は認められるのか?

休職中の未消化の有給休暇はどのような取り扱いになるのでしょうか?
これについては、労働通達(昭31・2・13 基収第489号)で下記の通り解説されています。

〔長期休業中の場合の年次有給休暇〕 

昭和24.12.28基発1456号、昭和31.2.13基収489号
照会内容
長期休業中の労働者の年次有給休暇の行使に関し、下記のとおり取り扱ってよいか。

昭和24.12.28基発1456号
(1)負傷又は疾病等により長期療養中の者が休業期間中年次有給休暇を請求したときは、年次有給休暇を労働者が病気欠勤等に充用することが許されることから、このような労働者に対して請求があれば年次有給休暇を与えなくてはならないと解する。

昭和31.2.13基収489号
(2)休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権の行使ができないと解する。

回答
(1)、(2)ともに貴見のとおり。

昭和24.12.28基発1456号、昭和31.2.13基収489号

以上を咀嚼すると次のように解することができます。

まず、昭和24.12.28基発1456号に従い、労災による休業中であっても、その日が労働日である限り、免除するべき労働義務が存在することになるため、休業中の者から年次有給休暇の請求があった場合には、これを認めなければなりません。また、労災保険の休業補償給付が支給されない3日間の待機期間についても同様であるとの見解が有力です。

一方、昭和31.2.13基収489号に従い、労災による療養期間中に休業者の所属を人事預かりのようなポジションに配置転換し、「休職」扱いにしたような場合は、休職期間中は労働義務がない日ということになるため、この期間中に年次有給休暇を取得することは認められない(会社側が許容することは可能)であると考えられます。