付随費用とは

会計基準で付随費用について明確な定義はなく、例示列挙もされていないので、何が付随費用に該当するのか分からないという会計士の方も沢山います。ただ実は、企業会計審議会が昭和37年に『企業会計原則と関係諸法令との調整に関する連続意見書』という意見書を公表しており、そこで付随費用について述べられています。

これは、企業会計原則及び同注解を補足するものであるので、基準ではないのですが我が国において長きにわたり実務上の拠り所としてきたこともあり、慣習法的な感じで当然のように扱われているものです。

▼連続意見書第三 有形固定資産の減価償却について

固定資産を購入によって取得した場合には、購入代金買入手数料、運送費、荷役費、据付費、試運転費等の付随費用を加えて取得原価とする。但し、正当な理由がある場合には、付随費用の一部又は全部を加算しない額をもって取得原価とすることができる。購入に際しては値引又は割戻を受けたときには、これを購入代金から控除する。

連続意見書第三

▼連続意見書第四 棚卸資産の評価について

棚卸資産の取得原価は、購入代価副費(附随費用)の一部又は全部を加算することにより算定される。

副費として加算する項目は、引取運賃、購入手数料、関税等容易に加算しうる外部副費(引取費用)に限る場合があり、外部副費の全体とする場合がある。さらに購入事務費、保管費その他の内部副費をも取得原価に含める場合がある。加算する副費の範囲を一律に定めることは困難であり、各企業の実情に応じ、収益費用対応の原則、重要性の原則、継続性の原則等を考慮して、これを適正に決定することが必要である。

連続意見書第四

その他の根拠としては、法人税法上の取り扱いも参考にされています。

▼法人税法施行令の第54条一

当該資産の購入の代価
①引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税等その資産の購入のために要した費用
②当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

法人税法施行令の第54条一