ブックビルディング方式とは何か?~初心者にも分かりしやすく解説シリーズ~

ブックビルディング方式(=需要積み上げ方式)とは、引受証券会社(幹事証券会社)が、企業の株式の公開価格(発行価格、売出価格)を決定する際に使われる方式のことをいいます。

IPO時の公開価格の決定は、株価算定能力が高いと思われる機関投資家などに対してロードショー(=会社概要、成長可能性等の説明会)を行い、当該機関投資家からのフィードバックをもとに引受証券会社が仮条件(価格レンジ)を決定します。

その後、有価証券届出書(訂正有価証券届出書)を通して、仮条件を投資家に提示し、それを受けた投資家が需要申告する(需要株式数、価格帯等を申告する)ことによって、株式市場動向に即した公開価格を決定するというプロセスで行われています。

公募・売出価格(公開価格)は下記の要素を考慮して決定させることが通常です。特に市場環境はその他の項目に大きな影響を与えます。

例えば、2020年においてCovid-19による日本経済および株式市場の先行き不透明感が作用してIPOディスカウントを50%程度と設定して公開価格を決定(検討)することもありました。

・市場環境
・総需要株式数
・需要件数
・需要価格帯(需要の分布状況)
・投資家属性(機関投資家or個人投資家)
・IPOディスカウント(上場日までの期間に係る価格変動リスク) 等

ブックビルディングは一般に5営業日程度実施されます(下記参考)。

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