ロードショー(IPO)とは何か?~初心者にも分かりしやすく解説シリーズ~

IPOにおけるロードショーとは、IPOファイナンス期間において複数の機関投資家を訪問(1日4件~6件を1週間~2週間訪問)して会社概要、事業内容、ビジネスモデル、成長可能性、財務数値やKPI等の説明を行うことをいいます。

ロードショーでは、いわゆるエクイティーストーリーを体系立てたロードショーマテリアルを用いてプレゼンをします。ローマテと略されることがありますが、これはロードショー後に回収されるため世の中に公表されることはありません。

類似したものとして「事業計画及び成長可能性に関する事項」をグロース市場で上場する企業はIPO時に公表しなければなりません(下記参照)。

https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge7908.html

「ロードショーマテリアル」と「成長可能性に関する説明資料」は異なる点が多々あります。

たとえば、前者はプレゼン用資料という建付けであるため図や表というビジュアルを重視した資料となります。一方で、後者はダウンロードしてじっくりと読める資料という点で文字情報が多くなっています。

また、ロードショーの対象者は機関投資家といわれる金融商品や関連法規の知見を有するいわゆるプロが対象です。そのため、ディスクレーマーを付して細かく説明することがあります。

この点、成長可能性に関する説明資料はプロ以外の個人投資家も閲覧するため誤解を招くような情報は記載しないことがあります。フェアディスクロージャーの観点からは差異をなくすべきかもしれませんが、金融商品や金融商品取引法、その他関連法規は複雑であるため差が出てしまうのは仕方がないことかもしれませんね。

ここで、ロードショーで回る投資家は特に優良な投資家に力を入れる必要があります。1週間強で数十件の投資家に説明するため、メリハリは必要ですし、グローバルオファリングの場合はロードショーで回る投資家がさらに多いため、チーム制で同時並行するケースもあります。

ロードショー後に機関投資家からフィードバックを受けてブックビルディングの仮条件価格帯が決定されます。このようにロードショーは、機関投資家の投資判断、ひいては上場時の株価に重要な影響を与えますので、主幹事証券の指導の下、十分な準備をする必要があります。

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