金銭債権債務の定義についても、実務上の漠然とした取り扱いは分かるけど、根拠基準は何だろうかと悩まれることが多いかと思います。こちらについては、「中小企業の会計に関する指針」で定義されています。
金銭債権とは、金銭の給付を目的とする債権をいい、これには、預金、受取手形、売掛金、貸付金等が含まれる。
中小企業の会計に関する指針10項
金銭債務とは、金銭の支払を目的とする債務をいい、これには、支払手形、買掛金、借入金、社債(私募債を含む。 )等が含まれる。なお、金銭債務は、網羅的 に計上する。
中小企業の会計に関する指針45項
金銭債権債務に未収収益および未払費用を含めないことについては、https://cpa-base.com/未収入金と未収収益の違い/で整理しているので、そちらをご覧ください。
また、前払金や前受金についても金銭債権債務に該当しません。これは「金銭の授受」を目的としているものではなく、「役務の授受」を目的としているものであるためです。少し細かめに下記で整理しておりますのでよければご覧ください。
外貨建前払費用の期末換算は必要か?~金銭債権債務の定義を踏まえて~
先日、とあるクライアントから1年間のコンサルティング契約を外貨建てで支払った場合の会計処理について質問されて実務上の取り扱いは簡単に回答できたものの、根拠となる基準も改めて整理しようとしたら地味に分かりづらい作りとなっていたので、解説しよ...