新収益認識基準が2021年4月1日以後開始する会計年度から適用となり、新収益認識基準の理解をしたいが書籍が多く何が良いのか分からない方が多いと思います。私は会計士であるため、複数の収益認識の関連書籍を読んでいますが、中でも会計の専門的な知識を持った方にお勧めの本を紹介したいと思います。
何が変わる?収益認識の実務
2021年4月1日開始事業年度から適用される収益認識の会計基準について解説した書籍。各監査法人が会計書を出しているが、EY新日本有限責任監査法人が一番攻めた記載をしている。収益認識に関する判断は難しく画一的な説明ができないため、公表されている会計基準をそのまま引用し、図や表にしたりして見やすくしている程度の書籍が多い中、本書は若干のグレーゾーンに関する解釈論を示している。
例えば本書のP56で多段階契約における契約の結合・変更の論点について解釈を記載している点など、結構攻めているなと感じるポイントである。
周囲の会計士に聞いても会計書はEY新日本有限責任監査法人が基準の解釈論をアグレッシブに示していて良いという評価を受けている。
会計士以外の者で経理経験の浅い者は基準の解釈がまず優先されるだろうから、本書の良さが分かりづらいかもしれないが、基準を原文で読み理解した者であれば私が攻めているという理由がわかるであろう。